1. HOME
  2. ブログ
  3. 顧客満足度を上げたい!

顧客満足度を上げたい!

 人口減少の時代、今は良くてもこの先、生き残れるかは分からない・・・。今回はそんな危機感を抱く経営者のお話。

 高単価サロンを数店営むD代表は、目の肥えた顧客を引き付けるため、顧客満足度の向上が必要と考えていました。

◾️自分のサロンしか知らないので、他と比べてどうかが分からない

◾️この先、高まり続ける顧客の要求レベルに応え続けられるか不安

と現状に不満というより、未来志向で進化の必要性を感じておられたのです。

 それで初めは、「大人の女性」に関する講習を請け負いました。ターゲットとなる顧客層の心理や消費行動を解説すると、スタッフはとても熱心に耳を傾けてくれましたが・・・やはり、単発の勉強会で目に見える変化は表れません。

 そこで私は、経営者に代わり客観的な立場で、サロンの内部を観察しました。すると、スタッフの質は高く、皆誠実に業務に当たっており、お客さまの様子やネットの口コミを見ても、評価は高く、良い関係性を築けている様子です。

 現場は上々、けれど経営者はなんとなく不安、この状況を打破するには・・・と考えて思い付いたのが、題して「グッジョブコンテスト」。スタッフが日頃の仕事で得た手応えや心に残るエピソードを、発表し合う社内コンテストです。1年目の新人を除き全員参加で、各自が発表内容を考え、「テーマ」「顧客属性」「関わった人」などを事前シートに記入しておき、それに沿って数分間、プレゼンします。

 初回に際し、スタッフに対して、「大勢で仕事をしていると、隣の人がどんな仕事をしているか見えづらい。だから皆で情報共有して、良い仕事は真似しましょう」と趣旨を説明しました。するとスタッフは予想以上に張り切ってくれました。

「何十年ぶりに美容室を訪れた年配のお客さまから、後日感謝の手紙をいただいた」「パーマ嫌いのお客さまへ思い切って提案したら、気に入ってリピートしてくださった」・・・など、時に涙交じりに語られるエピソードに、一同熱心に聞き入り、一番共感を得た人を表彰しました。

 ただし、ここで終わらないのがコンテストです。発表内容を明日からどう生かすか、店舗ごとにディスカッションし、目標を掲げてもらいます。「他の人の意識の高さに、自分が幼稚だと気付いた」「お客さまにできることはもっとあると思った」など、周囲の仕事ぶりを知ることで、スタッフたちは自ら気付きを得て、素直に改善に乗り出しました。

 また、刺激を受けたのはD代表も同じ。店舗の状況や個人の働きぶりを数値上でしか判断できなかったものが、各スタッフを定点的に理解できるように。今は「各自のポテンシャルを生かす仕組みづくりが自分の仕事」と励んでおり、同コンテストも定期的に続けられています。

 スタッフは経営者の見ていないところで、日々顧客満足のため、考え動いているもの。そこに光を当てて見ると、成長のヒントがたくさんあるようです。

関連記事