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店舗売上はいいけれど・・・

 これまで、サロンの表面的な課題と、本質的な問題点は異なるという話をしてきました。今回はさらに進んで、経営者が問題意識を持たない所にも、改革を要する場合がある、というお話です。

 6店舗を展開するF代表のサポートに入ったとき、まずは現状を知るため、全店の店長と個人面談を行いました。そこで引っ掛かったのが、G店長。冷静沈着に見える彼は、「スタッフとは仲良くやっている」とは言うものの、明らかにテンションが低い。全店会議で様子を見ていると、他店舗のスタッフは店長の元へ寄って行くのに、G店長のスタッフは店長から離れ、他店に紛れている。何となく距離感があります。

 気になって経営者に確かめてみると、

◼️店舗売上は目標に達していることから、まあOKと思っている

◼️ただ、G店長は人を育てることには不向きかもしれない

との評価でした。確かに店舗売上は悪くありませんでしたが、内訳を見ると、G店長が一人で担っているのです。

 そしてスタッフと面談すると、G店長の「仲が良い」との声とは裏腹に、「チームワークが良くない」「辞めたい」と言う声がちらほら・・・。店長とスタッフとのコミュニケーション不足を感じました。

 そこで考えたのが、「ショップビューミーティング」です。まずスタッフにアンケートを取り、店の雰囲気や教育体制、仕事の充実度や個人的な課題について、非公表を前提にありのまま答えてもらいます。その中から私が悩み課題をピックアップし、本人の許可を取って店舗ミーティングの課題にあげるのです。

 例えばHさんは、目標客単価を7,000円としているが、毎月約200円足りない。本人はそれを気にしており、会議にかけるのを許してくれました。すると、いつもは寡黙なG店長が、意外にも熱心にアドバイス。トリートメントや店販の売り方を具体的に話し始め、これにはHappy relationsさんはじめスタッフ全員が熱心に耳を傾けました。あとで聞くと、G店長は「自分だけが頑張って、人がついて来ないと感じていた。スタッフがわずかな目標未達を気にしているなんて意外だった」と。一方スタッフも、「店長がちゃんと店全体のこと、私たちのことを思ってくれているのが分かった」という感想でした。

 その後もミーティングを重ねるうち、人に指示したり協力を求めたりするのが苦手だったG店長が積極的にスタッフと関わるようになり、スタッフも安心して何でも聞ける雰囲気ができていました。

苦労して売上を伸ばした前述のHappy relationsさんは、今では店販リーダーとして活躍中です。

他を引っ張るのが得意な人もいれば、巻き込むのが苦手な人もいる。後者がリーダーに向かないかといえば決してそうではなく、静かに誠実に顧客の信頼を集めるタイプならではのやり方があるはず。

ふさわしい伝え方、伝える機会さえ用意できれば、チームは必ず動き出します。

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