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目指すサロンに近づきたい!

1店舗を営むI代表は、情報収集に精力的で、良いと思ったことはすぐに取り入れるタイプ。月2回の全体ミーティングを導入し、月中は経過報告と強化項目の設定、月末は結果報告とその反省、ときちんと目的を分けて続けていました。しかし成果は上がっておらず、「何がいけないのか分からない」と相談を受けました。

 ミーティングに出席して感じたのは、

◾️I代表の話から内容が伝わってこない

◾️強化項目がI代表の思い付きで設定されている

という2点でした。強化項目を設定するのは良いのですが、ある月に「店販強化」と掲げたと思ったら、成果も出ぬうちに翌月は「リピート率アップ」を掲げる。

そこに必然性、継続性はなく、スタッフたちはただ、経営者の気分に従っているようでした。

 折しも年末の繁忙期を迎え、新しい一年を迎えるタイミング。そこで企画したのが、「キックオフミーティング」です。

 まず、I代表には、どんなサロンを作りたいか、スタッフにはどうなって欲しいか、事前に整理するようお願いしました。

意思疎通の機会はあるのに意思統一できていないのは、I代表自身の意思がまとまっていなかったから。そこでI代表の考えをもとに、一緒に整理したのです。

 そして年明け。”今後のビジョンを共有し1年の計画を立てる”という今までにない催しに、スタッフも興味深げに臨んでいました。内容は二部構成で、まずI代表の指針発表。目指すは、大人の女性客へ向けた高単価サロン。ややカジュアル路線だった当時のスタンスを改め、1年間にわたり技術・接客レベルの向上に取り組み、他店との差別化を図る旨が告げられました。

 続く第2部は、計画。I代表の指針に基づき、店全体、また個人ごとの年間計画を立てます。店として時節に合わせたキャンペーンや各時期の強化項目を設定し、次に各自が、役職や経験に応じて自分の役割を考え、目標を掲げるのです。

 これを行ってから、経営者もスタッフも変わりました。まず、I代表は目指す先が見えて自信がついたのか、指導が明瞭になりました。スタッフも、すべきことが分かっているため、各自が能動的に役割を果たす姿勢が芽生えました。そして月2回のミーティングも、年間計画と現状を照らし合わせ、根拠を持って対策を話し合うことに変わったのです。

 求める将来像に従い、サロン全体の取り組みを順序立てて計画し、各自がその中で役割を果たす。常に一貫した方向性を保つことで、現在は少しずつ数値面でも良い兆しが見えてきたところです。

---これまで、サロンを変えた6つの事例を紹介しましたが、どれも決して派手ではない、地道で長期的な取り組みのお話でした。サロンをじかに見てスタッフと話せば、対策は必ず見えるもの。経営者に必要なのは、間違いのないリードや天才的なアイデアではなく、素直に現場を見つめ続ける姿勢なのかもしれません。

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