少し前まで、経営戦略というと、
「それは大企業だからできること」
「うちのような中小企業には関係ない」
そんな空気があったように思います。
大きな会社なら、専門の部署があり、
に予算をかけ、ブランド戦略を考える。
一方で、小さな会社は、
「まずは目の前のお客様」
「売上をつくること」
「人手不足をどうするか」
そこに集中する。
もちろん、それは今でも大切です。
ただ、時代が変わってきました。
今は、会社の規模に関係なく、
「この会社は、何のために存在しているのか」が問われる時代です。
これは、いわゆる「パーパス」の話です。
パーパスは、立派な言葉を掲げることではない
パーパスという言葉を聞くと、
「社会に大きな影響を与える使命を掲げなければいけない」
「かっこいい言葉を考えなければいけない」
そんなふうに感じる方もいるかもしれません。
でも、私は違うと思っています。
小さな会社に必要なのは、
大企業のような立派なスローガンではありません。
むしろ、
「なぜ、私たちはこの仕事をしているのか」
「なぜ、お客様は私たちを選んでくれているのか」
「これから先、どんな存在として選ばれ続けたいのか」
この会社らしい答えを見つけること。
それが、その会社にとってのパーパスなのだと思います。
実際に、ある会社のパーパスづくりに伴走しています
先日、ある企業の経営者の方と、
会社のこれからについて話をしました。
最初から「パーパスを作りましょう」と始めたわけではありません。
むしろ話していたのは、
「この会社が大切にしてきたものは何なのか」
「お客様は、なぜ長く付き合ってくれているのか」
「社員に、これから何を残したいのか」
「社長自身は、本当はこの会社をどうしていきたいのか」
そんな、一見すると経営戦略とは少し離れているような話でした。
でも、話を重ねていくと、少しずつ見えてくるものがあります。
会社がこれまで大切にしてきたこと。
お客様から選ばれてきた理由。
社員との関係。
そして、これから先も変えたくないもの。
それらを一つひとつ整理していくと、
「実は、うちの会社が目指していたものは、
ずっとここだったんですね」
という言葉が出てきました。
そこから、会社の存在意義を言葉にしていく。
私は、こういうプロセスこそがパーパスづくりだと思っています。
パーパスが決まると、経営の「判断軸」ができる
パーパスは、ホームページに掲載して終わるものではありません。
採用するとき。
新しいサービスを始めるとき。
社員を育てるとき。
お客様との関係を考えるとき。
経営者が迷ったとき。
そのたびに、
「これは、私たちらしい選択なのか?」
と立ち返ることができる。
つまり、パーパスは「飾る言葉」ではなく、
会社の意思決定を支える軸になります。
特に人も資金も限られている小さな会社にとって、
「何をするか」以上に
「何をしないか」を決めることは、とても重要です。
だからこそ、会社の存在意義が明確になることには大きな意味があります。
「小さな会社だからこそ、ブランドが必要」
これからは、規模の大きさだけで選ばれる時代ではありません。
「あの会社だからお願いしたい」
「この会社の考え方が好き」
「ここで働きたい」
そう思ってもらえる会社が強くなる。
そして、その「らしさ」は、広告だけでつくることはできません。
経営者の考え。
社員の行動。
お客様との関係。
商品やサービス。
会社の歴史。
これまで積み重ねてきたもの。
それらをつなぎ合わせて、
「私たちは何者なのか」
を明確にする。
私は、これがこれからの中小企業のブランドづくりだと思っています。
私が「ブランドパートナー」としてしていること
私が企業とご一緒するとき、
最初から答えを持っていくことはありません。
その会社の中にすでにあるものを、一緒に探します。
経営者が当たり前だと思っていること。
社員にとっては当たり前になっている文化。
お客様から見ると、とても価値のあること。
これまで会社が歩んできた歴史。
そして、経営者自身がまだ言葉にできていない想い。
それらを対話しながら整理し、
「この会社だからこそ」という形にしていく。
パーパスも、その中から自然に生まれてきます。
だから私は、単に「理念を作る人」ではなく、
その会社らしさを一緒に見つけ、これからの経営につなげていく存在
でありたいと思っています。
経営戦略は、大企業だけのものではなくなった
パーパス。
ブランド。
組織づくり。
人材育成。
顧客との関係性。
これらは以前なら、
「大企業の経営戦略」というイメージが強かったかもしれません。
でも今は違います。
会社の規模が小さいからこそ、
経営者の想いが会社全体に届きやすい。
社員との距離が近い。
お客様との関係も深い。
だからこそ、会社の「らしさ」を経営に生かすことができます。
大きな会社の真似をする必要はありません。
必要なのは、
「私たちは、何のためにこの会社を続けていくのか」
を、自分たちの言葉で考えること。
その答えが見つかったとき、
会社は「何となく続いている場所」から、
「目指す方向を共有できる場所」へ変わっていくのだと思います。
そして、その変化は会社の規模とは関係ありません。
むしろ私は、
これからの時代、
小さな会社ほど
「何者なのか」
を明確にすることが、
大きな強みになると思っています。
もちろん、弊社のような極小規模でも
パーパスはあります。
その話はまたいつか機会があれば。
ではまた。
