広島県の転出超過9,000人。5年連続で全国最多!
人手不足が一向に解消されない、ため息の出るニュース。
兼ねてから、さまざまな業界の中小企業経営者から、こんな声をよく聞きます。
- 人を採りたくても、採れない
- 採用しても、育つ前に辞めてしまう
- 人の問題に時間と気力を取られすぎている
かつては「人を雇い、育て、組織を大きくする」ことが成長の王道でした。
しかし今、その前提自体が揺らぎ始めています。
では本当に、今は雇用より外注の時代なのでしょうか。
雇用が難しくなったのは、経営者のせいではない
まず前提としておきたいのは、 雇用が難しくなっているのは、
- 経営者の力量不足
- 会社の魅力不足
といった単純な話ではない、ということです。
背景には、
- 労働人口の減少
- 働き方・価値観の多様化
- 個人で仕事を受ける選択肢の増加
といった構造的な変化があります。
「昔と同じやり方が通用しなくなった」 それだけの話とも言えます。
雇用は“固定費”としての重さが増している
正社員を雇うということは、
- 給与
- 社会保険
- 教育コスト
- マネジメント負荷
を長期的に背負う、ということです。
景気や業績に関わらず発生するこれらのコストは、
中小企業にとっては大きな固定費になります。
一方で外注は、
- 必要な時に
- 必要な分だけ
- 専門性を切り出して
使うことができます。
これはコスト削減というより、リスク分散の考え方に近いものです。
外注化が進んでいる業務領域
中小企業の外注利用率は、
2018年頃は1割未満だったものが、
2025年には約13%まで上昇しているというデータがあります。
これは「人を雇えないから仕方なく」ではなく、
経営構造を軽くする選択として外注が定着し始めている
ことを示しているといえるのではないでしょうか。
すでに多くの中小企業で、
次のような業務は外注が当たり前になっています。
- 経理・労務・法務
- Web・デザイン・広報
- IT・システム管理
- 採用・教育・研修の一部
これらに共通するのは、
「常時社内にいなくても成立する仕事」です。
最近ではさらに、
- 業務設計
- 人材育成の仕組みづくり
- 組織や現場の整理
といった、 これまで内製化が前提だった領域にも、
外部の専門家が関わるケースが増えています。
外注は「丸投げ」ではうまくいかない
ただし、 外注すればすべてが解決するわけではありません。
外注が機能しないケースの多くは、
- 目的が曖昧
- 判断基準が社内で整理されていない
- 期待値が共有されていない
といった状態で、 仕事を外に出してしまった場合です。
重要なのは、
- 何を内側に残すのか
- 何を外に任せるのか
を経営の視点で切り分けることです。
「雇わない経営」は逃げではない
人を雇わない、という選択は、
- 成長を諦めること
- 組織づくりを放棄すること
ではありません。
むしろ、
- 経営者が判断に集中できる
- 感情的な消耗が減る
- 事業の軸がぶれにくくなる
といったメリットを生むこともあります。
かくいう弊社も創業から16年ずっと
あらゆる外注先と共に歩んできました。
今ももちろんそうです。
事業を続けるために、 あえて重たい構造を持たない。
それも、今の時代に合った経営判断の一つです。
従業員数でその会社や経営者の手腕を測るような時代ではないとも言えます。
これからの中小企業経営に必要な視点
これからは、
- 雇用
- 外注
- 経営者自身
この3つをどう組み合わせるかが重要になります。
すべてを内製化する必要はありません。
かといって、すべてを外に出すわけでもない。
自社にとっての最適なバランスを設計すること。
それが、これからの中小企業経営の現実的な戦略です。
まとめ
今は「雇用か外注か」という二択の時代ではありません。
- 雇うところ
- 任せるところ
- 自分が担うところ
を分けて考える時代です。
経営を続けるための知識として、 知っておいて損のない視点だと思います。
